2014年にハタピの会が活動を始めた2014年には、八王子を中心とする多摩地区の市民の方の尿中抗体陽性率は27.8%でしたが、8年後の2022年には19.2%まで低下してきています。このような感染率の低下に伴い、胃がんで亡くなる方は、以前は毎年5万人前後でしたが、2020年には 42,319人と2割近く減ってきました。大変喜ばしいことです。胃がん撲滅の日が見えてきました。
このような状況の中で、日本人のがんの部位別死亡者数の第4位である膵がんが次第に増えてきています。膵がんは、発見が難しく、発見されたときには、すでに手遅れであることも珍しくありません。膵がんの5年生存率は8%前後で、極めて厳しい状況です。第1位の肺がん、第2位の大腸がん、第3位の胃がんは、がん検診の方法が確立されていますが、膵がんは、がん検診すら行われていない現状です。
治療成績のよくない膵がんですが、早い段階で発見することができれば、治療成績は決して悪くありません。つまり早期の膵がんを早期診断し、治療に結び付けることができれば、膵がんの治療成績も向上が望めます。この膵がん早期発見による5年生存率向上の取り組みは、すでに「尾道方式」といって、広島県で実績のあるものです。
ハタピの会では、胃がん撲滅が見えてきた状況の中で、今後は、八王子を中心とする多摩地区において、膵がん早期診断・早期治療に取り組んでいきたいと考えております。
具体的には、2021年の第4回市民のための健康講座から、第2部として、膵がんをテーマに専門の先生による講演を行っております。今後もこの取り組みを続けて参ります。来る5月27日土曜日午後の第6回市民のための健康講座でも、第2部として専門医による膵がんについての講演を予定しております。